2022/12/09 16:39
・ブラッシング
カシミヤを扱う上で一番大切なことは、日常のブラッシングです。
馴染みないことかもしれませんが、それを行うことで全く変わります。
はじめは上下左右にブラッシングし内側のホコリや汚れを掻き出します。
その際に毛玉が出来ていそうな部分もブラシでほぐして下さい。
次に表面に出てきたそれらを手で払い取り、最後に毛並みの方向を整えます。
これだけで風合いも増し十分に綺麗になります。
カシミヤの毛は柔らかくとても細い繊維であるため、
はじめのうち着用による摩擦や静電気によって短く出た毛足が絡まり毛玉が発生しやすいです。
ブラシをかけることで表面上の余分な毛が削がれ、徐々に毛玉が出来にくくなります。
もちろん余分な毛を取り除いても、機能性、心地良さは変わりません。
・日陰干し
ブラッシング後、日陰で風通しの良いところに平干しにして下さい。
カシミヤ本来の性質には、抗菌消臭効果が備わっています。
乾燥させる事で繊維に溜まった余分な水分を蒸発していきます。
(ブラシについて)
ブラシは天然毛が好ましいと考えます。
カシミヤの毛には油分が含まれており、この成分が毛質の柔らかさや肌触りの良さも与えています。
天然毛のブラシを使用することで、同時にカシミヤへ油分を与えキープする事が出来ます。
・毛玉取り
毛玉ができた場合は、躊躇なく取り除いて下さい。
表面上の余分な毛なので問題ありません。ブラッシングをしながら、手で毛玉を採って下さい。
・スチームがけ
ブラッシングの前にスチームを低温でかけると、素材へのダメージを防ぎつつシワを取り除き、カシミヤのボリュームを復元します。
気になったタイミングで構いません。
・手洗い
カシミヤは水に弱い性質ですが、正しい手洗いの方法を知っていればご家庭で洗えます。
一方でカシミヤニットの洗濯表記はドライクリーニングオンリーが多く見られます。
これは手洗い表記にした場合、洗い方に個人差が出る為品質の保証が出来ない為です。
また、強力な汚れや油汚れがついた場合には、ドライクリーニングでしか取れない汚れもあります。
動物性素材のニットは基本的に毎回着用後に洗う必要はありません。
毎回洗剤を使って洗うと、油溶性の汚れと一緒に素材の油分が奪われ、保湿性や風合いが損なわれてしまいます。
着用頻度にもよりますが、1ヶ月に1度程度が好ましいと考えています。
適度な手洗いは、汚れの除去は当然ですが風合いも良くなり、より肌に馴染みやすく、着心地も良くなります。
- 容器に常温の水をはり、ウール用洗剤または中性洗剤を入れ溶かします。
- カシミヤを畳んだ状態でネットに入れ、押し洗いします。
(まとめて洗わず1枚ずつ洗って下さい。) - 5回程度ゆっくりと押してあげます。
- 水を入れ換え、柔軟剤を入れた容器にカシミヤを入れて補油します。
- 洗濯機の脱水で1~2分、回します。
- バスタオルの上にカシミヤニットを広げ整形します。
- 風通しのよい日陰で平干し自然乾燥して下さい。
・ドライクリーニング
カシミヤの着用シーズンが終わったら、ドライクリーニングを行なってください。
ドライクリーニングの利点は、日頃の洗濯ではどうしても落ちない、油溶性の汚れを水を使わず取り除いてくれる事です。
これにより天然繊維の性質を損ねず、型崩れなく品質を保つことができます。
その後、防虫剤を置いて次のシーズンに備えてください。